人間と同じく犬猫の寿命も伸びています。
寿命の伸びに伴い、これも人間と同様、認知症を患う犬猫も増えています。
犬猫の認知症の症状として、飼い主さんを一番困らせるのは「夜鳴き」ではないでしょうか。
夜鳴きの原因として、昼間の運動が足りない、お腹が空いている、おしっこがしたい、なども考えられますが、考えられる原因をすべて取り除いても夜鳴きが止まないこともあります。
もうとれる対策がない、と考える飼い主さんが最後に頼るのが睡眠薬です。
犬猫用の睡眠薬なんてあるのか?
と疑問に思う方もいるでしょうが、動物専用の睡眠薬というわけではなく人間用の睡眠薬を転用します。
犬猫も人間も同じ哺乳類ですし、案外人間用と動物用の共通した医薬品は多いです。
犬猫に処方する睡眠薬はいくつかあるのですが、「アセプロマジン」や「コントミン」などがよく処方されているようです。
両方とも、興奮を抑える鎮静作用があります。睡眠薬というよりは鎮静剤といったほうが正確かもしれません。
コントミンに関しては犬猫の酔止めとしても処方される薬です。
効果の個人差が大きいようですが、うまくいけば数時間ぐっすり寝てくれます。そうなれば夜鳴きも解消です。
アセプロマジンとコントミンは処方薬であり、動物病院でしか入手できませんが、コントミンには「クロルプロマジン」という海外のジェネリック品があって、これはネットショップで販売されています。
アセプロマジンの効果と副作用については後述している「アセプロマジンを実際に使用した体験談」を御覧ください。
コントミンやクロルプロマジンに関してはネット上の口コミを集めてみました。
コントミンやクロルプロマジンの口コミ
賛否両論あって、効果があったとする評価もあれば、効果が強すぎて1日起きなかったとか怖い話もあります。
※表現は一部変更しています。
●悲しいような鳴き声が続くと可哀そうで少し眠ってもらっています。
●コントミンを使いましたが、残念ながら効きませんでした。
●大型老犬15歳に与えていました夜鳴きが酷く調べてこの薬にたどり着きました飲ませると夜中はよく寝てくれました。夜鳴きが抑えられた事で介護に余裕が出来たと思います。
●16歳になる愛犬が認知症で足腰も弱っており、夜中であっても立てなくなると泣き叫ぶので添い寝をしていてもこちらが寝不足で困っているところにこの薬を見つけました。2分の1錠を与えたところ数時間後眠りだしその後昏睡状態に陥りました。体をさすってやっても目を覚まさずこのまま死んでしまうのかと焦りましたが、ほぼ1日後目を覚まし元気に歩き出したのでほっとしました。
●眠くなるようで、酷い興奮は抑えられているようです。
●認知症になった犬が昼夜問わずに泣き叫び、近所迷惑や犬の体力に考慮してこの薬を獣医から出してもらっていたのでこちらで購入しました。1錠では多いので8分割して飲ませています。
●認知症の犬に服用させて半年が経過しました。認知症の治療にはなりませんが認知症からくる問題行動、昼夜問わずの遠吠え、一定方向への回転行動は少なくなっているようです。発症してから食事が3回になり、その食後に服用させ、しばらくすると数時間寝ている生活になりましたが、犬のQOLはよくなったと思います。
<まとめ>
コントミン(クロルプロマジン)は量が少なすぎると効きませんし、多すぎると効きすぎてしまい、なかなか目を覚まさなかったりします。
病院でコントミンを処方して貰う場合、投与量については指示されるはずですが、通販でクロルプロマジンを購入して使用する場合、投与量についてはよく考えなくてはなりません。
目安としては、
犬:体重1kg当たり3mgを12時間ごとに経口投与する
猫:体重1kg当たり3mgを24時間ごとに経口投与する
ですが、他の薬の飲み合わせなどの問題もあるので獣医師の指導の元で使用しましょう。
なお、オオサカ堂公式サイトでは実際にクロルプロマジンを購入して使用した飼い主さんの口コミが数百件あるので参考になります。
→クロルプロマジン100mgの口コミ・詳細を見る
アセプロマジンを実際に使用した体験談
アセプロマジンを実際に飼い犬に使用した飼い主さんに話をうかがいました。
かなり効果があったようで、飼い主さんとワンコ、両方の生活が改善したようです。
睡眠薬で鳴かなくなったキャバリア(60代/男性)
14歳になったキャバリアが歩けなくなりました。獣医師の説明では、歯槽膿漏が頭まで影響して、脚などが動かなくなったとのことでした。
歩けなくなって横たわる姿に見ている方もとても辛かったです。そして辛さを訴えるように良く鳴きます。夜になると寂しがるので、寝室に連れて行って一緒に寝ますが、夜中に鳴くので、さすがに睡眠不足になりました。
それで、夜だけでも静かにぐっすり眠れるためにどうしたら良いのか、獣医師に聞いたところ、睡眠薬を飲めば鳴かないで眠ってくれる可能性が高いとのことで、薬をもらいに行きました。もらった薬はアセプロマジンでした。
飲む量については細かく指示されましたので、飲ませる量は調整して飲ませました。飲ませた夜から鳴かなくなったので効果は大変にありました。ですので一緒に寝ても朝まで人間もぐっすり眠れたので仕事などへの影響はありませんでした。
副作用と言うのは良く分かりませんが、キャバリアの様子を見ていると、昼もだるそうな感じで寝ているので、副作用の一種と思います。その睡眠薬の前にはサプリで良く眠れると言うものを飲ませておりましたが、あまり効きませんでした。動物病院の睡眠薬は断然効き目が強いと思いました。
副作用も少なく眠ってくれました(30代/女性)
20歳になる手前のパピヨンで、年齢の割にはとても元気に過ごしてくれていましたが急にぐるぐると同じところを歩き回るようになり、徐々に夜も眠ることが難しくなっていきました。
最初の頃は家族で順番に夜面倒をみていましたが、夜鳴きもするようになり近所にも迷惑かなと困ったので獣医さんに行ったところ、年齢的に認知症の症状だと言われました。夜眠るためには薬を使うと効果的と言われましたが、薬に対して抵抗があり最初はサプリメントから試すことにしました。
しかしサプリメントではあまりはっきりと効果を得ることができず、夜に眠れないと愛犬も疲れるし体力的にもかわいそうになったので、薬を処方してもらうことにしました。一般的によく使われるというアセプロマジンを処方してもらい、飲ませてみると本当にスムーズに眠ってくれたので薬の力はすごいなと思う反面、副作用が出たらどうしようという心配もありました。
実際に服用させて感じた副作用としては、食欲が増しているなという感じでそれ以外は特に何か問題に感じることもなくて良かったです。他の薬を試したことはないので比較はできませんが、薬のおかげで亡くなるまでの期間穏やかに夜過ごせたので良かったなと思っています。